凝視線 居島春生 洋画展
居島春生 『エレベーター』 ハシビコウ 4F
凝視線
居島春生 洋画展
会期=2025年5月21日㈬→27日㈫
会場=松坂屋上野店 7階 美術画廊
※最終日は16時閉場
「視線」という言葉があります。それは人によって、時に熱かったり、冷たかったり、釘付けになったり、逸らしたり、鋭かったり、穏やかであったり、実態が無いはずなのにその存在を感じるがごとき形容が多くなされます。居島春生氏の二年ぶりとなるこの度の個展、奥入瀬の渓流、北海道のえりも岬、黒部渓谷、などなど、各地に取材した作品群から深い印象を受けるのは、作者の眼と対象とが、余計な要素の入り込む余地が無いほど確と結びついてこと得られるのであろう、静謐な空気感です。そこに着目して、氏が描く対象を選び取る眼をあらわすのに「凝視線」という辞書にはない造語を用いてみました。
じっと見つめる眼差しが明確な設計図を作り上げ、画面の下地作りから手間暇かけて行うテンペラ技法で一筆一筆丹念に色彩が置かれ完成に向かっていく仕事は変わらぬ冴えを見せています。また動物も氏の得意とするモチーフですが、今回も蝶やカワセミ、キツネなどが登場、さらに近年動かない鳥として有名なハシビロコウもユーモラスな趣を添えます。人間の眼が、手が、精妙なる美の世界を創り出すことの驚きと不思議さを味わうべく、ぜひご高覧くださいますようご案内申し上げます。
松坂屋上野店 美術画廊
「小さな旅」15F
「なの花」10P
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略歴 居島春生 IJIMA HARUO
1948 年 北海道留萌市に生まれる
1971 年 毎日デザイン賞特選
1991 年 昭和会展招待出品
1992 年 林武賞展出品
1993 年 個展 松坂屋名古屋店
(ʼ93ʼ95ʼ02ʼ05ʼ08ʼ11ʼ14ʼ17ʼ20)
1997 年 個展 日本橋高島屋(ʼ13)
2020 年 個展 松坂屋上野店(ʼ22ʼ23ʼ25)
2023 年 個展 松坂屋名古屋店
北海道立近代美術館買上げ・丸亀美術館
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「森の静寂」20F
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松坂屋上野店 7階 美術画廊