輪島塗とは? フレッシャーズアイ32
輪島塗(わじまぬり)は、
石川県・輪島市を中心に受け継がれてきた、
日本を代表する漆器です。
昭和52年には、全国で初めて
国の重要無形文化財に指定されました。

最大の特徴は、
丈夫さと美しさを兼ね備えていること。
見た目の華やかさだけでなく、
日常の中で使い続けることを
前提に作られている点こそが、
輪島塗ならではの魅力です。

制作工程は大きく分けると、
木地づくり、下地塗り、漆塗り、装飾
の工程から成り立っていますが、
実際には細かな作業を含め、
全部で124もの工程を経て完成します。
多くの職人の手を
リレーのようにつなぎながら、
一点の器が生み出されます。

輪島塗の歴史は、
およそ600年以上前に
さかのぼると言われています。
厳しい日本の気候の中で、
日々使われる生活道具として
「壊れにくく、修理しながら使えるもの」が
求められたことが、
この技法を磨き上げてきました。

輪島塗は、
壊れたら終わりではありません。
塗り直しや修理を重ねることで、
世代を超えて使い続けることができます。
この「時間とともに価値が増していく」
という考え方は、
現代のライフスタイルにも
通じるものがあります。
輪島塗は、日本の暮らし方や価値観——
ものを大切に使い続ける文化を
体現している存在でもあります。
大量生産・大量消費が
当たり前となった今だからこそ、
手間をかけて作られ、
長く寄り添ってくれる道具の価値が、
あらためて見直されています。

松坂屋上野店では、
令和6年元日に
輪島を襲った大地震のなか、
被災した工房から救い出された
作品を一堂に集め、展覧いたします。
輪島塗 うるしの彩り展
会期/2025年12月24日(水)
→2026年1月13日(火)
(※最終日16時閉場)
会場/松坂屋上野店 7階アートギャラリー
2025年12月31日(水)は全館18時まで
全館休業日:2026年1月1日(木・祝)、2日(金)
ぜひ、実際の質感や重み、
漆ならではの奥深い光沢を
会場で体感してみてください。
輪島塗が、少し身近に感じられる
きっかけとなれば幸いです。




